子供なんて全然好きじゃなかったけど、赤ちゃん＝子猫だったから謎がすべて溶けた

自分の友だちや親類の子供は可愛いと思うけど、モブの子供とかなんの興味もなくて、保母さんや幼稚園の先生になりたいという友人達を女神のようだと思ってた。よそ子のを面倒みたいなんて、奇特な人だわぁって。

とくに団体になった子供のうっとうしさなんか大嫌いで、スイミングスクールの団体児童に何度嫌な思いをさせられたか・・・

小魚が群れをなして身を守るみたいに、子供って大勢で集まると強くなった気になるのかやたらうるさくて生意気で手がつけられないくらい調子に乗るじゃないですか。ああいうのは今でもホント苦手です。

そんなわたしが子供を産んだ主な理由は、夫が欲しがったから。最初は「そんなに欲しいというなら産んでやらんこともない。」くらいの気持ちだった。自分の子は可愛いっていうし。

30超えて、そろそろ本気出してがんばらないとヤバイと思っていろいろと頑張って婦人科通いもして運よく授かったわけだけど、赤ちゃんを抱いてからわたしの中でわけのわからん革命が起きた。新生児って、ふにゃふにゃで、軽くって、子猫みたいだったから。

猫好きの人ならわかってもらえると思うけど、小さくてふにゃふにゃの柔らかい子猫を抱っこすると、脳みそが溶けてバカになるよね？？？擬音でいうなら「はにゃーーん」っていう状態になるよね？？？

人間の赤ちゃんも、同じだったの。びっくりした。衝撃だった。あんなにふにゃふにゃだとは知らなかった。あぁ、だから母親ってバカなるんだ、って思った。産んでから四六時中「はにゃーーん」状態。

思えば、わたしは物ごころついて初めて抱っこした新生児が自分の産んだ子だったんですね。免疫ゼロで自分の子だったわけですよ。刺激強すぎる。

中高生の頃に生まれたての赤ちゃんを抱っこしたことがあれば、「赤ちゃんってこんなに小さくて可愛いんだ～！保母さんになりたいな～！」ってもしかしたらこのわたしでも思ったかもしれない。それくらい、人生を懸けたくなるくらい、痺れるくらい、可愛かった。エンジェルのモチーフの置き物とか絵画とか今までいっさい興味なかったのに、あのお尻や太もものむちむちすべすべ具合を知ってしまってからは「よく描けてるわぁ～可愛いわ～～ちょっと欲しいわぁ～～」に変わったし。

余談だけど、添い乳っていって横になったまま授乳するやりかたがあるんだけど、ベッドでゴローンと横になって娘に授乳してると、自分まで猫になったようで気分が良かった。わたし今動物だわーって謎の高揚感があった。

この『赤ちゃん＝子猫期間』は5カ月くらい続いて、生後半年～1歳くらいまでは成猫ぽくて、1歳すぎて歩きはじめたら筋肉と骨がしっかりしてくるから抱き心地が小型犬ぽくなる。2歳すぎて少し喋りはじめたら大型犬で、3歳を超えてやっと人間ぽくなってきたなって印象。4歳の今はもう完全に人間の女の子です。

じゃあもう子猫じゃないから可愛くないんじゃないの？って思う？思う？？とんでもないよ、めっちゃ可愛いよ。

子猫からずっと育てて、その子猫がどんどん大きくなって、懐いて、言葉を覚えてお喋りできるようになって、人間の女の子になって・・・っていうファンタジーを想像してみてほしい。愛おしいに決まってるやん。宝物すぎて泣ける。

もちろんイライラしたり腹が立つこともしょっちゅうあるんだけど、ベッドで眠るときにそんなもんも全部溶けて（あー今日も可愛かった）で1日が終わる。きっと、そういう魔法にかかってるんだろうな。